禅者の闘病体験記

<禅者の闘病>

紹滴流愛がん録

藤井 紹滴

 

○がんは摂心会が大好き

 

私の過去の経験に基づけば、摂心会で頑張ると、がんは元気になります現在がんで苦しむ人も、一応治癒したとしている人も、御用心下さい。

 居士禅の場合摂心会中とても仕事は休めません。むしろ何故か急に忙しくなったりもします。当然道場における過労と、職場における過労が重なります。すると交感神経は過緊張となり、白血球は減少し、従ってリンパ球の白血球中の割合は変化なしとしても、がん細胞と対処するリンパ球の絶対数は減り、即ちがんが増殖するのです。

 

又冬期には、体を冷やし、血行が悪くなり、免疫力が低下するのです。私も摂心会後に調子が悪くなったり、がんが再発したりしました。無理をしないで摂心会には入山せず、体の免疫力を落とさないことです。今でも私は長女に摂心会の参加を厳しく咎められています。

 

○全国のがん患者さんおめでとう

 

人はその場にはじめて立たされて苦しまなければ、何の関心事でもなく収穫もありません。苦しんでみて思案します。がんと医師から告げられた時、「死神が入口の扉をたたいたな」と我身に感じました。


我人生にやり残したことどもが脳裏をよぎれば、当然死んでなんかいられません。それにはどうするか? がんについての情報集めとなります。がんについての本を手当たり次第に読みまくります。そして自分の状態と照らし合わせてみます。又闘病記なるものもよく読みました。


この時、心したのは、がんで死んだ人の本は読まない。がんから生還した人の本のみ何度も読みました。何故なら、そこに到る理由、工夫があるからです。

 

その理由たるや、多種多様。最後は心の問題に帰着しました。心の問題に帰着した人は、本当におめでとうございます。がんにならなければ到底考えもしなかった場面に到ります。大概の人は、ここに到る前に、抗がん剤等に頼って、死に到ります。少数ながら、苦労の結果、がんにならなければ考えもしない境地に到る人がいます。その人はがんが治るのです。誠にがんに教えられるのです。おめでとうと云いたいのです。

 

○がんは我身のうち

 

医師からがんを告げられた日、その日の顛末をノートに記録しました。今日4冊目となりました。その題は「愛癌録」です。はじめてがん細胞をパソコン画面で見せられた時、何故か、その姿が可愛かったからです。こいつと闘って、こいつを殺すのかと思った時、一面かわいそうに思いました。即ちこれも我身なのですから。

 

一般には、これをたたくとか、殺そうとしか考えません。顧みて、我身をがん化させて、誠に悪いことをしてしまったこの現実への反省もおこります。その理由を自分で考えてみれば、我身とがんに対して「ごめんね、ごめんね」と許しをこわなければなりません。


こう考えると折角できたがんも、あわてて除去せず、少しは我身に同居してもらうことにして、そのうち出ていってもらえばよいのではないかと。

 

○がんは金喰い虫

 

がんになると金がかかります。病院での治療費は、大方保険がききますので、そう多額にはなりません。でも病院で行われる治療は、相当恐ろしいものです。

 

大多数の患者さんは医師の指示に従い、三大療法、即ち、手術、抗がん剤、放射線のどれかを受けます。その結果は身近に見ておられるのではないでしょうか。


私の友人は、抗がん剤を使って1週間で他界しました。妹は断末魔の苦しみののち絶命しました。しかも医師は殺人罪に問われることもなく。となると、保険のきかない、即ち、厚生労働省で認めていない療法となり、多額の費用を覚悟せねばなりません。私もそうしました。何の方法をやったかは、複雑になるのでここでは省略します。

 

でもこちらの方が選択肢が多いと思います。これから先はその人の情報力です。あまり高額のものは、金がないからと避けてください。とにかく自己の免疫力を落とさないことが大切です。過去12年間の自分の医療費を累計するとゾッとする金額となります。

 

○秘伝 紹滴流 治療法「がんは断食でなおる!」

 

私は、平成14年6月がん発生より、再発(19年)、再再発(21年)、再再再発(23年)を経過。抗がん剤は一切使わず、がん細胞周辺の最小部分のみ、摘出手術をしてきました。平成23年7月には病理細胞採取のみの手術をしました。都合5回の手術をしました。


再発ごとにがんは悪性化してゆきました。直近の平成23年4月の検査では特にひどい状態にあることがわかりました。

 

どんな死に方をするのか想像してみました。医者は「これはひどいや……」と頭をかかえてしまいました。紹滴問う「治ることもありますか?」医者曰く「あります………。これは肝臓、腎臓、尿管、膀胱をとらなくてはなりません。」と。

 

紹滴曰く「それをとっても死ぬんでしょ?とらなくて結構です。」と言下に返答。医師「………」で病院を出る。

 

過去、再発を繰返す間に、各種の治療法のほか摂取食物の関係を考え、何故今に到ったかを考えると、①過労、②食事にしぼられました。小さな会社の経営者の労苦は今さら考えても改められず、ひたすら食事の工夫一本にしぼる。

 

がんによくない食物、いい食物の摂取は過去充分やってみた。即ち、高蛋白の動物肉、魚肉、卵、牛乳、ヨーグルト、チーズ、白砂糖を使った菓子類等々。うまいものはすべてダメ。


よいものは、わずか玄米、ソバ、野菜、果物、海草ぐらいしかありません。食事制限を強くした時の再発は、わりとたちがよく、制限をゆるやかにした時は、非常にたちが悪いことを、身をもって確かめたわけです。それならいっそ断食してしまえば、面倒なこともあるまいと。

 

退院後断食1週間。ただ、水は充分にとる。次の3週間は普通の食事量1/3。それも野菜、果物、梅干のみ。


2カ月目からは玄米、ソバも少しは食べる。こんな調子で7カ月。体重は72kgから57kgへ、体脂肪は22から11に下がりました。しかし従来と全く同様に働き続けました。

 

 するとがんはどこへやら姿を消してしまいました。それは私が書く字にハッキリ認められました。11月頃書いた旧作自詠漢詩「寒山詩を読みて感有り」五言絶句詩10200字を全紙に4センチ角の楷書で書いてみると、「アレ、病気の線じゃない。なおった!」と確信しました。この間医師から、「苦しかったらいつでも切ります」と何度もいわれました。10月迄のだるさがうそのようでした。

 

長い断食、食事制限によって体質が変わったようです。あれから3年近くたって、4カ所の病院で都合40回調べても、「がんはなし?」ここをもって確信をもった。


『がんになったら、断食によってがんにえさを与えるな。自分が死ぬか、がんが死ぬかのどちらかだ』。

 

過去の10年は、道場の修行もほとんど休んでいましたが、ここ2年は頻る元気に修行に励む。嘗つて磨甎庵老師に問う。「禅の修行で何が一番大切ですか?」と、老師曰く「つづけることだ」と。磨甎庵老師の言を味わっておりま

す。

 

■著者プロフィール--------------------------------------

藤井紹滴(本名/賴次)

昭和15年東京都生まれ。会社経営。

昭和37金子清超先生に入門。儒学、書、漢詩を学ぶ。

(公財)無窮会にて儒学研究、今に到る。

昭和46年長屋哲翁先生より禅の指導を受く。

昭和61年、人間禅磨甎庵白田劫石老師に入門。

現在、人間禅輔教師。(埼京支部〕

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この文章は、人間禅発行『禅』誌 46号からコピーし転載したものです


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